倫子さんの本棚
『40代にしておきたい17のこと』に学ぶ、残り時間の使い方
「倫子さん、先週の本、妻と読みました」。面談に来た健一さん(48歳・メーカー勤務の課長)が、少し照れながら報告した。「それで欲が出まして。ああいう『今のうちにやっておけ』系の本、他にもありますか。リストで示してくれるやつだと助かるんですが」。倫子さんは本棚から文庫本を抜いた。「では王道を。17個もリストがありますよ」
シリーズ200万部の「17のこと」——なぜ40代版が一番重いのか
健一さん
本田健さんって、お金の本の人ですよね。
倫子さん
『ユダヤ人大富豪の教え』などで知られるベストセラー作家です。この『40代にしておきたい17のこと』(だいわ文庫)は「20代に〜」から続く年代別シリーズの一冊で、シリーズ累計200万部を超える定番。私がこの40代版を本棚に置いている理由は、シリーズの中でこれだけが「残り時間」を正面から突きつけてくるからです。
健一さん
残り時間、ですか。
倫子さん
本書の出発点は、40代は人生の折り返し地点だという認識です。ここまでは私がいつも言っていることと同じですが、本田さんの視点で鋭いのは、40代を「理想と現実の狭間」と捉えたところ。10代20代の「自分は何でもできる」という万能感が崩れ、できること・できないことが自然と見えてくる。この「見えてしまう」ことをネガティブに扱わず、選択の材料に変えろというのが本書の背骨です。
健一さん
耳が痛いですね。僕も「もう課長止まりかな」が見えてきた側です。
倫子さん
その「見えた」は、実は資産なんですよ。続けますね。
今日やること
- 「40代になって見えてきた、自分のできること・できないこと」を3つずつ書く
倫子さんが選ぶ要点3つ——集中・思い出・お金
健一さん
17個全部は聞けないので、倫子さんの独断ベスト3でお願いします。
倫子さん
いいでしょう。1つ目は「大事なことに集中する」。若い頃は何でも試すのが正解でしたが、残り時間が見えた40代は、大事でないことをやめる決断の方が価値を生む。健一さんの言葉で言えば、職務経歴書で「削る」勇気と同じ構造です。
2つ目は「思い出を意図的につくる」。本書には、60代の人が最も後悔しているのは思い出をもっとつくらなかったことだ、という趣旨の指摘があります。仕事の準備の話ばかりしてきた私が言うのも変ですが、後半戦の設計図には家族や友人との時間も書き込むべきです。お金の回で「老後の家計」を計算しましたよね。あそこに「思い出予算」を1行足してほしいんです。
3つ目は「お金との付き合い方を見直す」。40代になると自分の稼ぐ力の輪郭が見えます。本田さんは、お金をどう管理するかで人生後半の明暗が決まると説きます。これはお金の回でやった「見える化→固定費→それから増やす」の順番論と完全に一致します。
健一さん
3つとも、この研究所でやってきたことと重なりますね。
倫子さん
はい。だからこの本は答え合わせとして読むのが正しい。既にやっている人には確認を、まだの人には着手のきっかけをくれる本です。
今日やること
- 「やめること」を1つ決める(会議・付き合い・惰性の習慣、何でも可)
- 今年中につくりたい思い出を1つ、カレンダーに仮予定として入れる
一番怖い指摘——40代で生き方は3コースに分かれる
健一さん
この本で一番ドキッとする話はどれですか。
倫子さん
40代の生き方は、希望と夢を持って生きるか、退屈を感じながら生きるか、絶望とともに生きるかの3つに分かれていく、という指摘です。怖いのは、どのコースに乗るかが劇的な事件ではなく、日々の小さな選択の積み重ねで決まっていくこと。退屈コースは、何も選ばなかった人が自動的に乗るコースなんです。
健一さん
僕、ここに来る前は完全に退屈コース行きでした。
倫子さん
そして今は、市場価値を測り、社外の場所を探し、家計を見える化している。もうコースを選び直した側です。4つの出口で言えば、この本は「どの出口を選べ」とは言いません。言っているのは「選ぶ側にいろ」ということ。残る・転職・複業・独立、どれを選んでもいい。選ばずに流されることだけが、退屈コースの切符です。
健一さん
リストが欲しいと言いましたけど、結局リストの中身より「選べ」が本体なんですね。
倫子さん
その通り。17個は選ぶ練習の題材です。健一さんはもう7個くらい済んでいますから、残りは答え合わせのつもりで読んでください。後半戦は、ここからですよ。
今日紹介した本
『40代にしておきたい17のこと』本田健著(だいわ文庫)
本記事は書籍の要点を当研究所の解釈でご紹介したものです。17のリストの全体は、ぜひ書籍でお読みください。
この記事の「今日やること」まとめ
0 / 3 完了
- 「40代になって見えてきた、自分のできること・できないこと」を3つずつ書く
- 「やめること」を1つ決める(会議・付き合い・惰性の習慣、何でも可)
- 今年中につくりたい思い出を1つ、カレンダーに仮予定として入れる
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